この絵本の内容紹介
僕の妹の名前はローラ。まだ小さくて手の掛かる妹なのです。
「いもうとの めんどうを ちゃんと みてあげてね」
「じかんに なったら ベッドへ つれていってね」
パパとママはそう言って出掛けていきますが、言うのは簡単でも実際にはとても大変なこと。なぜなら、妹は夜遅くまで起きているのが大好きだからです。
妹は、塗り絵をしたり、フラフープを回したり、ぺちゃくちゃ喋ったり、いつまで経っても寝ようとしません。僕が「もう ねる じかんだよ」と言っても、「いやだ! あたし まだ ねむたくないもん」の一点張り。ましてや眠くなったことなど一度もないと言うのです。夜中の1時を過ぎても元気に満ち溢れています。
そんなある晩、僕は良いことを思いつき、寝ようとしない妹にこう言いました。
「ねるまえに のむ、だいすきな いちごミルクの じかんも こないって わけだよね? それでも ねむたくないの?」
ところが、妹からは予想外の言葉が返ってきます。
「でも あたしが いちごミルクを のむと、トラたちも いちごミルクを ほしくなるのよ」
「ほら、トラ達が もう、おやすみまえの いちごミルクを テーブルで まってるじゃないの。あんまり またせると おこりだすかもよ」
このように僕が何を言っても、妹は『ああ言えばこう言う』なのです。歯磨きをするように言ってもライオンのせいにして、お風呂に入るように言ってもクジラのせいして、パジャマを着るように言っても犬のせいにするのです。
それでも僕は、どうにかこうにか妹の言い訳に付き合います。そして、どうにかこうにか言うことを聞かせ……。
こうしていつまでも眠らず、僕を困らせてばかりの妹は、一体いつになれば言いつけどおりに眠ってくれるのでしょうか。