この絵本の内容紹介あらすじ

リスのむっくはおねしょの名人。木の枝に干してある布団には、どんぐりの形をしたおねしょの跡が残っているのです。

ウサギのふうこは、むっくのおねしょの跡を見ながら羨ましそうな様子です。

むっくは、得意げな様子でバナナの形のおねしょ跡やロケットの形のおねしょ跡を作ったのだとふうこに自慢します。

どうせおねしょをするなら楽しい形を作りたいとふうこは言います。そこで、むっくは楽しいおねしょ跡の作り方をみんなに内緒でふうこに教えるのでした。

その後、むっくに内緒で教えてもらったふうこの布団はと言うと、素敵な花の形をしたおねしょ跡が残っているのです。

猫のななは、外に干してあるふうこの布団を見ながら羨ましそうな様子です。そして、ふうこにおねしょ跡の作り方を教えてもらおうとするのですが、むっくとの秘密なので教えることができません。

むっくは人気者になり、お友達みんながむっくに楽しいおねしょ跡の作り方を尋ねます。そこで、むっくは原っぱにみんなを集め、楽しいおねしょ跡の作り方を伝授することになるのでした。

楽しいおねしょ跡の作り方はと言うと、まず最初に夕方に水やジュースを目一杯飲むことです。それから、寝る前にトイレに行くのを我慢します。そして最後、布団に入ったら自分の好きなものの形を一生懸命に思い浮かべて、その好きなものの名前を100回唱えるのです。

そして、注意が必要なのは、夜中になって家族にトイレに行くようにと起こされても寝たふりをしなければなりません。
また、トイレに行けなくなるように、寝る前に恐い絵本を見るのも楽しいおねしょ跡を作るコツなのだとむっくは言います。

楽しいおねしょ跡を作るには、あらゆる努力や困難を乗り越える必要があります。むっくの話を聞いたお友達は、楽しいおねしょ跡を作るためにもその努力を惜しまないことを確認し合うのでした。

そしてその夜、みんなはむっくに教えてもらったとおりに楽しいおねしょ跡の作り方を実践するのですが、上手におねしょ跡を作ることはできたのでしょうか。そして、みんなが思い浮かべたものは何なのでしょうか。


この絵本は、変わった切り口で展開されるおねしょのお話です。楽しいおねしょ跡の作り方を知る一方で、反面的におねしょをしないためのコツを知ることができます。楽しいおねしょ跡を作るためには、夕方に飲み物を目一杯に飲んだり、寝る前にトイレに行かなかったりする必要があるのですが、逆に夕方に飲み物を飲みすぎないようにしたり、寝る前にトイレに行けば、おねしょを防ぐことができるのです。

最後の両開きで展開される、みんなのおねしょ跡が描かれたページは迫力満点で楽しげな様子が伝わってくることでしょう。

気をつけてもなぜだかしてしまうのがおねしょなのですが、そのおねしょを悲観的に捉えるのではなく、楽しく肯定的に捉えてみてもいいのかもしれませんね。