この絵本の内容紹介
女の子は怒っています。なぜなら、大人はいろいろとズルいからです。ふと思い立って、お父さんに不満をぶつけることにしました。
『どうして おとなは よるおそくまで おきているのに、こどもだけ はやく ねなくちゃいけないの?』
お父さんに「たとえば?」と言われた女の子は、このように不満をぶつけました。すると、お父さんは秘密を打ち明けるかのような小さな声で答えました。
『じつは、つぎの クリスマスのために、サンタさんから たのまれた ちょうさいんが、「よる はやく ねるこか どうか」を、なんかいも しらべにくるんだよ』
パパはそう言ってトイレに行ってしまいますが、それでも女の子の不満は収まりません。
『どうして おふろに はいる じかんを、おとなが かってに きめちゃうの?』
また女の子が不満をぶつけると、お父さんは深刻そうな表情を浮かべました。そして、「はやく はいらないと ヤツらが きちゃうからなんだ。」と前置きして答えました。
『なぞの いきもの「おふろあらし」より、さきに おふろに はいらないと、おゆが なくなっちゃうからなんだ。」
ところが、それでも女の子の不満は募るばかり。大人の理不尽に対する「どうして?」の疑問はこれからが本番です。
こうして、不満をぶつけられるたびにお父さんはあれやこれやと理由を説明しますが、女の子の質問は止まる所を知りません。果たして、女の子の大人への不満は解消されるのでしょうか。
最後は、「こどもだって ズルいこと あるよね。」とお父さんに反撃されますが……。『蛙の子は蛙』ということわざがぴったりの結末に、クスッと笑いが込み上げます。