この絵本の内容紹介あらすじ

「いえみつ」こと「みっちゃん」は、おじいちゃんから小学校の入学祝いにランドセルをもらいます。おじいちゃんからの手紙には、黒くてピカピカでかっこいい、ちょっと変わったランドセルと書いてあります。

みっちゃんが大喜びで箱を開けると様子が変です。なぜかランドセルの入った箱にはおが屑がぎっしり詰まっているのです。
おが屑を掘り返してみると、中から黒い塊が飛び出します!
「かぶとむしランドセルだに〜!」

みっちゃんは、普通のランドセルがいいとお母さんに文句を言いますが、せっかくおじいちゃんがくれたんだから大事にしなさいと言われるのでした。

そんなみっちゃんをよそ目に、かぶとむしランドセルはやる気満々!
「ふふ、わしとおまえでがっこうのにんきものになるだに」

その夜、みっちゃんが眠りにつく頃、ガサゴソガサゴソ、明日は入学式だというのにうるさくてちっとも眠れません。
かぶとむしランドセルは、本当のかぶとむしと一緒で夜行性だったのです。そして、かぶとむしランドセルは、みっちゃんが忘れ物をしないようにと持っていくものを確認していたのです。

入学式の朝、緊張しながら学校に行くと、みんなが指を差して笑います。
「とのさまだ!とのさまがあるいてくるぞ!」
かぶとむしランドセルを背負った姿を正面から見ると、かぶとむしのツノだけ頭から出てくるのでそれがチョンマゲみたいに見えたのです。
みっちゃんは、入学式早々から「とのさま」というあだ名をつけられてしまいます。

それからも、かぶとむしランドセルは困ったことばかりするのです。算数の時間にウンコをしたり、給食のゼリーを勝手に食べたり、女の子のスカートめくりをしたり……。
とうとう我慢の限界を越えたみっちゃんは、学校の裏山に行くとかぶとむしランドセルを置き去りにして帰ってしまいます。

みっちゃんとかぶとむしランドセルはどうなってしまうのでしょう。そして、みっちゃんの学校生活はどうなってしまうのでしょう。

斬新な発想が面白い、歴史要素もちょっぴり入ったユーモア溢れる絵本です。入学前のお子さんや入学したてのお子さんに読み聞かせしてあげてはいかがでしょう。