この絵本の内容紹介あらすじ

妹のもも子の誕生日に、お父さんが子どもたちの指紋をとると言い出しました。誘拐事件が起こったときに、早くみつけてもらうための資料にするというのです。「じゃあ、誘拐されたときに家族だけでわかる言葉をつくったら……」ぼくの提案を聞いて、家族みんなで言葉づくりがはじまりました。母さんは逆さ言葉を考えました。「でも、新聞紙は逆さから読んでも同じだよ」と兄ちゃんが反発します。「では、思っていることの反対を言えばどうだろう」とお父さんが続けました。「好き」は「嫌い」、「きれい」は「汚い」というように変えようというのです……。

家族が、自分たちだけの言葉をつくる作業を通して、一つにまとまっていきます。主人公が連発する「大きらいだぞ」の本当の意味は「大好きだぞ」ということ。家族に対して口に出して伝えにくい思いも、こうすれば簡単に伝わります。家族だけの秘密を持つことで、絆が深まることを教えてくれる物語です。