この絵本の内容紹介あらすじ

この頃いろんなことを忘れる、ぼくのおばあちゃん。「きょうはなにようび」と朝から何度もぼくにきいて、何度教えてあげても忘れちゃう。そんなおばあちゃんがある日散歩にでかけたきり一晩帰ってこなかった。次の日帰ってきたおばあちゃん、「キノシタキノコさんのうちにいったの」って言う。キノシタキノコさんと一緒に雲のヘリコプターにのって、山のてっぺんにあるキノコの形の家に着いて、ケーキノコっていうお菓子を食べたんだって。おみやげにもらってきたキノコは、食べるとどんな病気も治って若返るキノコで、一つ何百万もすると分かり、お父さんもお母さんもびっくり! ……キノシタキノコさんて一体誰なんだろう? 痴呆性老人の頭の中には、こんな楽しい世界が広がっているかもしれない…という著者の暖かい眼差しが感じられる、老人問題も提起した作品。読者をぐいぐい物語にひきこむ筆致と井上氏の絵が魅力の楽しい一冊。