この絵本の内容紹介あらすじ

ネズミのスミレ姫は、乳母のおハギさんに何でも禁止されてしまい、うんざりした様子です。
Tシャツやジーンズを履くのは禁止、城の外に行くのも禁止、お菓子を食べるのも禁止、お誕生日でも例外はありません。

そんなある日、スミレ姫は朝早くに起き上がると、Tシャツとショートパンツ姿に着替え、抜き足差し足でこっそり城を抜け出すのでした。

そして、城から持ち出した自転車を漕いでスミレ姫が最初に向かったのは、ジメジメ堂というお菓子屋さんです。

ジメジメ堂の中では、店主の猫がもっと悪者になるにはどうしたらいいだろうかと考え込んでいます。そして、スミレ姫が店内に入ると、店主の猫は悪者になる方法を尋ねてくるのです。

スミレ姫は、お店のお菓子を全部食べちゃえばいいのだと答えます。おハギさんに禁止されたスミレ姫にとっては、お菓子を食べることは悪いことだったのです。

ところが、店主の猫はそれを聞いて、金さえ払えばお菓子を食べることなど悪いことでも何でもないのだと言うのです。そして、好きなお菓子を入れるようにと買い物袋をスミレ姫に渡すのでした。

スミレ姫が袋を受け取ったのはいいものの、お金を持っていないのでお菓子を買うことができません。自分はお姫様なのでお金を持たせてもらえないのだと店主の猫に説明するのでした。

目の前にいるのがお姫様だということを知った店主の猫は、悪いことを思いつき、スミレ姫を袋に詰めて誘拐することにしたのです。

一方、スミレ姫のいなくなったお城は、大騒ぎで慌てふためいています。城中の者が集められ、スミレ姫の捜索が開始されるのでした。

そのころ、スミレ姫を誘拐した店主の猫は、王様宛の脅迫状を書くことにします。ところが、店主の猫は文字が書けないので、誘拐されたスミレ姫自身が店主の猫の代筆をすることになるのです。お菓子と引き換えに代筆を請け負ったスミレ姫ですが、店主の猫が文字を理解できないのをいいことに……。

誘拐されたスミレ姫は一体どうなってしまうのでしょうか。最後はホッと一安心の優しい世界が広がります。