この絵本の内容紹介
ある晩、少年アーサーはテレビの西部劇に夢中になっていました。最後まで見ていたかったのだけれど、もう遅い時間だからとお母さんに寝るように促されます。
ところが、アーサーは「いやだ」と怒ってしまいます。最後まで西部劇を見ようとアーサーが駄々を捏ねるので、「おこりたければ おこりなさい」とお母さん。
アーサーが怒ると雷がなって稲妻が走り、しまいには雹が降り、部屋はぐちゃぐちゃに散らかってしまいます。
そうすると、「もう じゅうぶん」とお母さんは言うのですが、それでもアーサーの怒りは収まりません。
アーサーが怒ると次は嵐が吹き荒れ、屋根と煙突と教会の塔を吹き飛ばしてしまうのです。
「もう じゅうぶん」と次はお父さんが言うのですが、それでもアーサーは怒っています。
アーサーが怒ると台風がやってきて、町全部を海が飲み込んでしまいました。
そこで、「もう じゅうぶん」と次はおじいさん。それでもやっぱりアーサーの怒りは収まりません。
アーサーが怒ると次は地球にバリバリとヒビが入って、卵のように割れてしまうのでした。
最後は、「もう じゅうぶん」とおばあさん。それでもまだまだアーサーは怒っています。
アーサーが怒れば怒るほどに天変地異は激しさを増していきます。地球も月も星も惑星も……何もかもを壊すほどにアーサーは怒りに満ちています。
果たしてアーサーの怒りは収まるのでしょうか。そして、怒りの先に何があるのでしょうか。
怒りに身を任せてしまった末路には、虚しさだけが残るのだと語りかけてくるような物語です。