この絵本の内容紹介
大きな緑の部屋には、電話が一つと赤い風船が一つと絵画が二つありました。
一つの絵画には、お月様を跳び越える雌牛が描かれています。もう一つの絵画には、椅子に腰掛ける三頭の熊が描かれています。
その部屋には子猫が二匹いて、手袋も一セットあります。人形の家も一つあって、子ねずみも一匹います。机の上には、クシとブラシとお粥の入った茶碗が一つずつ置いてあります。
うさぎのおばあさんは揺り椅子に座って編み物をしながら、「しずかにおし」と言っています。
夜が更けるとおやすみの時間です。部屋におやすみを言って、お月様にもおやすみを言って、目に映る物一つ一つにおやすみを言います。
この物語の舞台は大きな緑の部屋だけ。その部屋にある物や窓から見える夜空だけが描かれます。
あらゆるものに「おやすみ」を言いながら、子うさぎが眠っていくお話です。「おやすみ」の言葉を重ねるうちに、段々と部屋が暗くなり、夜空は一層煌めきます。その静かな変化が、眠りの世界へと誘いこむのでしょう。