この絵本の内容紹介
幼い時に生まれ育った飯舘村を追われた凛(りん)ちゃんは、小学校は避難先の仮設住宅から隣町のプレハブ仮設校舎へ通い始め、その後も転居・転校を重ねて卒業…、今なお続く原発災害の現実を子どもたちたちを通して伝える。
春になるとミズバショウが咲く山あいの集落、比曽集落は福島県飯舘村の南の方にあります。
そこには、美しい田んぼや牧草地が広がり、防風林のある家が点々と並んでいました。
この比曽集落に、200年以上も前の江戸時代から続く一家が住んでいました。
一家の祖先が、明治時代に旅館を営むために建てたという家で、凛ちゃんは生まれました。
その大きな家で、凛ちゃん親子、おばあちゃん、おじいちゃん、ひいおじいちゃん……と、四世代11人がいっしょに暮らしていました。
そんな歴史と思い出の残る家と比曽の集落を、家族全員が追われることになりました。
2011年3月、東日本大震災で原発が爆発し、危険な放射性物質が風で運ばれてきたのです。
生まれ育った家を追われた家族は、離ればなれになって避難を重ね、凛ちゃんは、お家や学校を何度も何度も変わらなければならなくなりました。
そして、家のまわりや集落の光景も大きく変わっていきました。