この絵本の内容紹介
多美ばあちゃんは、東京の住宅地にできたホームホスピス「楪」の入居第一号。そこでの日常の生活、家族や入居者(友)同士の交流、お友だちの看取りなど、生命力と愛情あふれる温かな看取りの世界を描いていきます。
東京の住宅街にあるマンションに、ホームホスピスという「お家」ができました。
名前は「楪」~ゆずりは~。
病や障がいがあっても、最期まで暮らせる終のすみか―。「もうひとつのお家」です。
自宅での生活がむずかしくなった人たちが住み慣れた地域で、いっしょに暮らし、ヘルパーさんがいつもそばにいます。
「お家」なので、家族はいつでも会いにきて、好きなだけいっしょにいられます。
98歳になる多美さんは、「楪」に入居した「第1号」の人です。
それまでいたアパートでは、子どもたちの負担が大きくなり、ここに移ってきました。
……ここは死を待つ家ではなく、人間らしく暮らし、生ききる、生活の場です。
血のつながりがあっても、なくても、「いのちのバトン」を大切に引きついでいく、「とも暮らし」の場です。
「楪」の人たちは、大きな家族のようにゆるやかに、あたたかく、つながっていきました。