この絵本の内容紹介
「頓知(とんち)」と言えば一休さんですよね。アニメ番組でも一休さんを題材にした作品が長きに渡り放映され、とっても有名な存在ですね。
一休さんはお坊さんになるために5歳のときにお母さんに連れられて「あんこく寺」に行きます。
ある夜、お師匠さんは一休にろうそくの火を消してくるように言います。
そこで、一休はろうそくの火を息で吹き消します。
しかし、それを知ったお師匠さんは一休さんに注意します。「人間の息は汚れているから手で仰いで消さなきゃいけない」と。
朝になり仏様の前でお経を読みます。しかし、一休さんは仏様に対して後ろ向きになってお経を読むのでした。
お師匠さんはそれを見て、またもや一休さんを注意します。「仏様にお尻を向けるのは罰当たりだ」と。
すると一休さんは言います。「人間の息は汚れているから仏様にかけてはいけないと言われました。」
一休さんは、とんちを使っていろんな問題を解決します。その噂はお偉いさんの耳にも止まるようになりました。
ある日、噂を聞いたお金持ちが一休さんを家に招待します。だけれど、お金持ちの家の前には橋がかかっており、「このはしをわたってはいけません」という立て札が立っていました。
一緒にいたお師匠さんは困りましたが、一休さんが「渡りましょう!」と言うのです。
理由はみなさん聞いたことがあるのではないでしょうか?
そうです。橋の端っこではなく真ん中を渡ったのです。
一休さんのこれまでのエピソードを聞くと揚げ足取りのような側面が強く感じちゃいますよね。
でもご安心。この後、一休さんは成長すると旅に出ます。そこでとんちを使って貧しい人々を助けるのです。
知恵というのは使い方を間違えると人を困らせるものにもなりますし、逆に人を助けるものにもなります。
ひとつの事柄でも角度を変えて見てみるといろんな側面を持っていることを教えてくれるお話ですね。