この絵本の内容紹介あらすじ

たもんはお父さんと、はじめてのイワナつりにやってきた。山の中の川、大きな淵で何度もエサをながすけれど、つれない。
あきらめかけたとき、さおさきがグイグイッとまがった。さかながくいついたのだ。さかなはグイグイひっぱり、頭があつくなり、しんぞうがドッキンドッキンする。右に左におよぎまわるさかなと長くたたかったすえ、ついにたもあみの中にさかなをとりこんだ。
「すごいぞ、イワナだ! おおものだ」
はじめてつりあげたイワナだ。たもんは、ほおずりしたくなるほどいとおしかった。
やがてお昼になると、「たもんのつったイワナをごちそうになるべ」と、お父さんはイワナをくしにさし、たき火でしおやきにした。たもんはむねがいたみつつ、ガブリとやった。「うまいよ!」話しかけるようにいうと、なみだがポロンとこぼれた……

釣りを通していのちの躍動を感じ、そのいのちをおいしくいただくことで、初めていのちの大切さ、重さを実感する。そうした少年の心情を、繊細かつ力強く描く絵本です。

絵本「いのちが かえっていくところ」の一コマ
絵本「いのちが かえっていくところ」の一コマ2