この絵本の内容紹介あらすじ

今日は幼稚園の入園式。たくさんの小さな子ども達が元気に登園してきました。

ところが、一人だけ泣いている子がいました。それは、みゆきちゃんという女の子。

「やだやだ ようちえんなんか きらいだよーっ」

そう言って、入園早々から泣き出してしまったのです。

そんなみゆきちゃんは、入園して以来、毎日泣いてばかり。面白がってからかう子ども達も出てきてしまいました。

絵本「なきむしようちえん」の一コマ
絵本「なきむしようちえん」の一コマ2
出典:なきむしようちえん/童心社

ある日、子ども達はヤギの世話をしていました。草を取ってきてヤギに食べさせるのです。

ところが、みゆきちゃんはここでも泣いてしまいました。草を取ってきたものの、ヤギが近づいてくると怖くなってしまったのです。近づくヤギから逃げても、草を求めて追ってきてしまうのでした。

幼稚園ではヤギを飼っているだけでなく、畑も作っています。でも、みゆきちゃんは畑作りに参加しません。手が汚れるのが嫌だからです。

林でのターザンごっこやロープウェイでの遊びにもみゆきちゃんは参加しません。怖いから嫌なのです。


毎日泣いてばかり、他の子達とも馴染めない、そんなみゆきちゃんですが、転機が訪れました。

いつものように泣いていたみゆきちゃんのもとに先生が可愛いウサギを連れてきたのです。

そしてある日、ウサギが林の中に入っていってしまったので、みゆきちゃんは心配で追いかけました。

「まってえ!」
「まってったら……」

そうして林の中でウサギを追いかけていると不思議なことに気づいたのです。

それは、林の中が気持ちが良いということ。若葉が吹く風の香りや土の香り、自然の魅力に気づいたのでした。

危ないと思っていた林の魅力に気づいたことをきっかけに、みゆきちゃんに変化が起き……。