この絵本の内容紹介
クレヨンのクロ君は、クレヨン箱から出て散歩に出掛けて行きました。
そうしてトコトコ歩いているとオモチャのバスと出会いました。
「あのー。ちょっと はしてってみて くれませんか?」
クロ君は嬉しそうにバスに話し掛けました。
すると——
「そりゃ いいけどさ、おいら どうろがないと はしることが できないんだよ」
クロ君はバスの言葉を聞くと、さっそく大きな画用紙を持ってきて、道路を描き始めました。
そうしてバスが元気に走り始めると、クロ君は画用紙いっぱいに道路を描き、最後はバス停も描きました。
翌日、クロ君はバスのところに出掛けて行きました。すると、そこにはバスではなく、船がいました。
「あのー。ちょっと はしてってみて くれませんか?」
クロ君は嬉しそうに船に話し掛けました。
すると——
「そりゃ いいけどさ、おいら うみが ないと はしることが できないんだよ」
クロ君は船の言葉を聞くと、さっそく大きな画用紙を持ってきて、海を描き始めました。
そうして船が元気に走り始めると、クロ君は画用紙いっぱいに海を描き、最後は港も描きました。
そのまた翌日、今度は他のクレヨン達もクロ君と一緒に遊びに出掛けました。すると、そこにはバスでも船でもなく、新幹線がいました。
「あのー。ちょっと はしてってみて くれませんか?」
クロ君はこれまでのように新幹線に話し掛けました。
ところが——
「あぶない から だめ! だめ! おいらはね、おどろくほど はやい スピードで はしるんだから!」
そう言われても、クレヨン達は新幹線の走る姿を見たくてたまりません。そこで、大きな画用紙を何枚も持ってきて、素敵な街を描きました。さらには、新幹線用に丈夫なレールも描き始めました。
そうしていると新幹線も走りたくてウズウズ……。
ついには我慢できず、新幹線はレールの上を猛スピードで走り出しました。ところが、新幹線の進路方向の先にはレールを描くクロ君が……。
ピクトブック編集部の絵本談議
クロ君と新幹線はどうなっちゃうの?
クロ君を避けようとして新幹線が脱線しちゃうんだよ。
えー!?
新幹線は大丈夫なの?
意外なことに新幹線は大丈夫だったんだよね。その理由がこれまた意外なんだ!
実は新幹線の正体は……