この絵本の内容紹介あらすじ

捨て猫同士が肩を寄せ合って暮らし始めた矢先のこと、縄張り争いで野良犬に追いかけられます。

絵本「うみのしっぽ」の一コマ

牙を剥く野良犬から必死に逃げ、二匹の猫が辿り着いたのは、町から離れた深い山奥です。ここまでは来れば、野良犬も追って来ません。

一心不乱に逃げていた二匹の猫はお腹ぺこぺこ。目の前の川を覗き込むと、唾をゴクンと飲み込みます。ウグイがいたのです。

絵本「うみのしっぽ」の一コマ2

お腹を空かせた二匹の猫がウグイに飛びつくと、バチーンとタヌキに張り倒されました。町から来た捨て猫なんかに食わせる魚はない。そう言って、意地悪なタヌキが邪魔をします。二匹の猫は仕方なく川上へと歩いて行きました。

ここまで来れば、意地悪なタヌキの目は届きません。二匹の猫が川を覗き込むと、そこにいたのはイワナです。今度こそはと飛びつきますが、グアーンと熊に頭を殴られてしまいます。ここでも意地悪を受けた猫達は、さらに川上へと歩いて行きました。

よろよろと川上へ歩くと、意地悪な熊の目も届きません。ところが、川は段々と細くなり、冷たい水が流れているだけ。魚の姿は見当たりません。

二匹の猫は、負った傷だけでも癒そうと、川の水に指を浸けました。すると、川の水が二匹の猫を労ってくれているようです。

猫は、川の水にお礼をしようと、水をくすぐりました。子どもの頃にお母さんがしてくれた一番嬉しかったことを、川の水にもしてあげたのです。

すると突然、猫は不思議な力を手に入れます。川に手を入れてくすぐると、魚が遠くから飛んでくるようになったのです。朝ならカツオ。昼ならタイ。夕方ならヒラメ。どれもこれも塩味の効いた美味しい海の魚ばかりです。

ところが、その不思議な力を嗅ぎつけたのが、意地悪な熊とタヌキ。不思議な力の秘密を教え、山から出ていくようにと威嚇するのです。

さて、二匹の猫はどうなってしまうのでしょう。そして、不思議な力の正体とは?