この絵本の内容紹介
人生の終わりを迎える人を前に、自分に何ができるのか……
木のいのちが消えかかっているとき、そばにいたクモは何もできず、ただ小さくなっていく木を見て、怖かった。
でも、木はクモがそばにいてくれるだけで幸せなのだと言う。
そして迎えた最期の日。
クモはもう怖くはなかった。自分の足で一歩を踏み出した。
祖父母の死に直面した著者・村上ひとむさんが、何もできなかった自分を悔いた経験をもとに創作。
作者の人柄があふれた優しいタッチの絵が、幅広い年代の読者を癒してくれます。
「もっと何かしてあげられないのかな」と悩むすべての人に、「そばにいるだけでいい」「話をきいてあげるだけでいい」という大切なメッセージを伝える絵本です。
編集者からのコメント
人生の最後を描いた絵本はたくさんあり、中には傷が癒えないうちは大人でも読むのが辛くなる作品もありますが、村上ひとむさんのこの絵本は、木が自然に朽ちる物語で、鏡のように心を映しながら寄り添ってくれるおはなしです。
特に、大切な方とのお別れが近づいている方には、ぜひ本書を手に取っていただきたいです。
「何をしてあげたら……」とうろたえてしまう方、つらくて目を背けてしまう方もいらっしゃると思いますが、この本をきっかけに、「会いに行こう」「そばにいてあげよう」と大切な方のもとへ足を運んでいただければ幸いです。