この絵本の内容紹介
猟師と小グマの絆がつむぐ、あたたかくも悲しいものがたり
みらいパブリッシングの新インディーズレーベル「モモンガプレス」から、創作民話絵本が登場。ユニークでぬくもりのあるタッチに心癒される、心にしみる一冊。
江戸時代の頃のこと。
猟師の与重は、親からはぐれた子グマを拾い、女房のキミと育てました。
夫婦には子どもがなかったせいもあり、ふたりは我が子のようにろくたをかわいがりました。
やがて成長し、おとなのクマになったろくたを与重は山へ返します。
猟師である与重は、ろくたにてっぽうを向ける日が来ないことを願いつつ、別れを告げます。
それから何か月か経ち、人を襲うクマが与重の村に現れました。
村人たちは、人を襲うクマはろくたに違いないと口々に噂します。
与重はろくたは人を襲ったりしないと信じていましたが、村の長に命じられ、ろくたを処分することを決めます。
ひとり狩りの支度をし、山へ入っていった与重が出会ったのは――
「絵本はあったかいが王道でしょうが、涙をさそう絵本があってもいいのでは、と思います。
名作『ごんぎつね』も悲しい童話です。」(作者より)
出版社からのコメント
ろくたに出会ってから、ろくたに恋をしています。とくに表紙のろくたがかわいくて仕方ありません。
現代においても創作民話を生み出し続ける、著者の太田さんの情熱に圧倒されました。宮沢賢治や新美南吉、安房直子、松谷みよ子を私淑し、作家としての研鑽を重ねている方です。