この絵本の内容紹介
カメレオンでも、まわりの色にそまらず生きていくんだ!
ベロンベロン森に住むカメレオンのレオンくんは、ちょっと変わってる。
みんなと同じように、まわりの色にそまるのが得意なんだけど、本当は「まわりの色にそまらない、そんな生き方ないのかな」と、いつも思っている。
ある日、小さなヘビが現れたとき、救ってくれたへんてこカメレオンのおじさんから、べロンチョ攻撃を教えてもらう。
それは自分の舌の力だけで相手を倒しちゃう、すごいパワー。
おじさんは言ったのさ。
「ほんとうになりたいと思ったら、何にだってなれるのさ!」
毎日毎日特訓するレオンくんの前に、ついに大きなヘビが現れて、仲間がどんどんやられそうに。
こわくてふるえるレオンくん。
だけど、おじさんの言葉を思い出し、自分を奮い立たせてヘビに立ち向かうんだ。
手に汗にぎるたたかいの結果、なんとレオンくんはベロンベロン攻撃でヘビをやっつける。
「やるじゃないか、坊や」
おじさんにほめられて、自分を信じることの大切さを確信するレオンくん。
そしてそれからも毎日毎日、ベロンチョ攻撃の特訓をする。
ベロンチョ、ベロンチョ・・・いつも森から聞こえる不思議な音が、君にも聞こえるかい?
編集者からのコメント
カメレオンを取り上げる作品といえば、体の色を変化させることをテーマにしがちですが、この作品では、あえて体色の変化を拒むカメレオンの子どもを主人公に、その心の葛藤と成長をのびやかに表現しています。
イラストを担当する映子さんは作者のお母様。
得意の和紙を用いた繊細な色彩の階調と可愛いタッチが、作品をより印象強くファンタジックに高めています。
母娘の息の合った作品が、子どもに夢を、大人に希望を与えてくれます。