この絵本の内容紹介
宮崎の「喜楽園」は夫婦ふたりで切り盛りする ちいさな中華料理店。このお店、じつは写真家・吉田亮人の実家なんです。
ごとんがこん、厨房に中華なべをふるう音がひびきます。
つくって、はこんで、お皿をさげて、洗って……
あれ、また注文がはいったようです。
「はたらく」って、なんだろう?
朝から晩まで、ひとつの職業の人にはりついて、その仕事や暮らしぶりを見つめてみた。
大人と子どもがともに読みながら「はたらく」ことの意味を考える あたらしい写真絵本シリーズ(総ルビ)。
シリーズのことば
「将来、なにになりたい?」
大人は子どもになにげなく質問します。
答えはさまざま、時代のうつりかわりとともに人気の職業があるようです。
しかし、サッカー選手でも花屋でも、おなじ職業だからといって、おなじようにはたらき暮らしている人はいません。
ぼくらの生活は、だれかの仕事のおかげで成り立っているはずなのに、彼らが日々なにを思い、どんなふうにくらしているのかはあまり知りません。
夜道で足をとめて星空を見上げるように、目の前を通りすぎる いろんな「はたらく」を見つめたい。
大人も子どももおなじ地平に立って、はたらくってなんだろう、と考えてみる。
そんなふうにして、このシリーズをつくりたいとおもいます。
推薦のことば
●ミロコマチコ(絵本作家)
この世界は、みんなの一日、一日でできている。
履いている靴も、休憩時間に食べるごはんも、お昼寝するときに使う枕も。
たくさんの人の“はたらく”とともに暮らしている。
わたしの“はたらく”もきっとだれかにつながってる。
嬉しくなって、ああ、明日もはたらこうって思う。
●鳥羽和久(教育者)
生きることは社会とつながること。
そして社会とつながることは、はたらく人とつながることだ。
つながる人とは気持ちいい関係でいたい。
そのためには、たがいにすがすがしい仕事がしたい。
この本には、はたらくことのすがすがしさが詰まっていて、生きるようにはたらくことをぼくたちに教えてくれる。