この絵本の内容紹介
ポンチョは町の本屋さんなのですが、自分の仕事は後回しにしてばかりです。朝は畑の手伝いで、昼はおばあさんの荷物持ち。いつも誰かのお手伝いをしていました。
それなので、ポンチョの本屋はいつも閑古鳥が鳴いています。待てど暮らせどお客さんは訪れません。
ところがどうしたことでしょう。ポンチョは来客がないことなど気にもせず、好きな読書に夢中です。さらには、本の気に入ったページに折り目を付けたり、大事な部分に線を引いたり、気づいたことはメモしてしまいます。
本はすっかり折り目や線やメモの『しるし』だらけ。これではお客さんに売ることができません。ポンチョは「しまった!」と反省するどころか「ガハハハ これじゃあ うれねえや」と相変わらずの調子です。
『しるし本』だから面白い!?
そんなある日、小さな女の子がポンチョの本屋を訪れました。そして、積まれた本の山から一冊を手に取りました。その本はポンチョがうっかり『しるし』を付けて売れなくなった『しるし本』です。
「ごめんなさいな おじょうちゃん そのほん よごれているだろう オイラが うっかり しるしを いれて うれなくなった ほんなんだ」
ポンチョはそう言って事情を説明しますが、女の子は『しるし本』に興味津々。「このほん とっても おもしろい!」と笑みがこぼれます。
ポンチョの見ているところや感じたことが『しるし』のおかげで伝わってくると言うのです。さらには、『しるし本』を世界に一つだけの素敵な本だと絶賛しました。
「ガハハハ そりゃもう うれないほんだ きにいったのなら もってきな」
それを聞いて女の子は大喜び。『しるし本』のお礼にと、可愛い犬のぬいぐるみをポンチョにプレゼントしました。
それからほどなく、世界に一つだけの『しるし本』の噂は広がり、町中の人々がポンチョの本屋に行列を作りました。ポンチョの本屋は、とても大忙しの繁盛店へと様変わりするのでした。
思わぬ出来事
ある日の昼下がり、ポンチョは相変わらずお手伝いをしていました。そんなとき、駐在さんが慌てて駆けつけ、ポンチョに叫びました。
「ポンチョの ほんやが もえてるぞ」
ポンチョが戻ったころ、本屋からは大きな火柱が上がり、町のみんなは諦めていました。それでも、ポンチョには諦められない理由がありました。
「オイラの たからを たすけなきゃ!」
ポンチョは大きな声を張り上げます。そして、燃え盛る本屋のなかへ飛び込むと……。
ピクトブック編集部の絵本談議
ポンチョが命懸けで守ろうとしたのは、どんな宝だったんだろう。
ポンチョが無事だったのかも気になるね。
ちょっとだけ話すと、最後はポンチョのもとに素敵な出来事が訪れるんだよね。
そうなんだ!それは続きが楽しみだな!
誰かのために尽くせば、その恩はいつか返ってくる。
そんな素敵なメッセージが伝わってくる物語なんだ。
うんうん。
日本語と英語の二か国語で描かれているのも特徴的だよね。
ポンポンポンチョは ほんやさん
あさは はたけの おてつだい
ひるは ばあばの にもつ もち
このリズミカルな文章も読みやすくていいなぁ!