この絵本の内容紹介
ぼくの名前はハールン。ミャンマーで生まれた。でも今、バングラデシュの難民キャンプにいるんだ。ぼくの話を聞いてくれる―――?
ミャンマーのラカイン州にくらす少数民族、ロヒンギャの人たちは、2017年8月に国内で大規模な迫害を受け、今も約100万人が難民キャンプで暮らしています。その中の一人、ハールンという少年が体験を語ります。
ミャンマーで家族と共に平和に暮らしていた男の子・ハールンは、ある晩、火事に気づいて目を覚ましました。武器を持った男たちが村を襲ったのです。命からがら家を飛び出したハールンは、隣家のラヒームおじさんといっしょに三日三晩歩き続け、国境となるナフ川を渡って隣の国バングラデシュにたどりつきます。
両親とはぐれ、悲しみにくれるハールンですが、難民キャンプに学校ができたことで笑顔を取り戻します。
その学校は、日本でくらすロヒンギャ男性が私財で建てたものでした。
ロヒンギャの人たちに起きたことと、難民キャンプの子どもたちの現状を伝える絵本。
巻末に、根本敬・上智大学名誉教授による解説つき。
編集者コメント
「世界で最も迫害された民族」と呼ばれる、ミャンマーの少数民族ロヒンギャ。2017年に起こった大規模な迫害により、現在も隣国バングラデシュの難民キャンプで100万人が暮らしています。国に帰ることができず、難民キャンプを出ることもできず、将来の夢を描くこともできない。そんな現状を一人の少年の目線から描きます。ロヒンギャの子どもたちの声に耳を傾けてください。