この絵本の内容紹介あらすじ

今夜は港の花火大会。でも、連れて行ってくれるはずのお父さんとお母さんはまだ帰って来ません。早く行こうと騒ぎたてる弟と妹のため、お兄ちゃんは子どもだけで港に向かうことにしました。

峠の坂道を曲がると月見草が一面に咲いていて、3人は花火のまねをして腕を振り回して花の中を駆け回ります。壊れた家の前に差しかかると、「きゃあー、おばけー」と一目散に道を駆け下り、大きな声で歌いながら歩きます。

いつの間にか花火の音は聞こえず、「もう おわったんかなあ」と、ついに弟と妹が泣き出します。そんな中、3人を呼ぶ声が聞こえて、お父さんとお母さんと会うことができました。花火大会は終わってしまったけれど、お父さんとお母さんが持って来てくれた花火で花火祭りをします。小さいけれどきれいな花火に、弟も妹もお兄ちゃんも笑顔になりました。

子どもだけでの大冒険や、花火大会を見ることができなかった子どもに花火を用意してくれていたお父さん、お母さんの優しさなど、家族の絆にじーんとする絵本です。大人が読むと子どもの頃を思い出すかもしれません。

花火大会にたどり着くことはできなかったけれど、去年の花火大会の様子や月見草の花畑、満天の星空など、暗い夜の中での明るい光の絵がとてもきれいな1冊です。