この絵本の内容紹介あらすじ

待ちに待った夏休みも間近。
だけど、しげちゃんは心配事を三つも抱えています。

一つは身体検査。そして、もう一つは家庭訪問。最後の一つは成績表です。

身体検査の日、じめじめ蒸し暑いのにしげちゃんだけは厚着。ブラウスの中にシャツが三枚、スカートの中には毛糸のパンツも履いています。一人っ子は風邪を引きやすいと聞いたしげちゃんは、風邪を引かないように厚着をしているのです。

しかも、しげちゃんは服の下で御守りを首から二つもぶら下げています。体重測定で上着を脱ぐと、、御守りの紐が交差してバッテンになっていたので友達にからかわれてしまうのでした。
先生からは正しい体重が測れないからと御守りを外すように言われるのですが、しげちゃんは断固拒否。御守りを外したらバチが当たるのだとおばあちゃんから聞いたからです。

家庭訪問の日になると、先生が体重測定での御守りの話を始めます。しげちゃんのお母さんは「すみません。うちの子、おばあちゃんっ子なもので」と困り顔。

身体検査も家庭訪問も終え、いよいよ終業式の日。明日から夏休みです。
ところが、しげちゃんが家に帰ると、お母さんは目を三角に吊り上げています。それから、しげちゃんはおばあちゃんと一緒に寝るのを禁止されるのでした。成績表には「自立を!」と書かれていたからです。

一方、しげちゃんは成績表に書かれた「自立」の意味が分かりません。逆立ちのことかな?と的外れなことを考えるのでした。

絵本「しげちゃんと じりつさん」の一コマ

その夜、お母さんが見張っているのでおばあちゃんの部屋には行けません。しげちゃんは自分の部屋で一人で眠ることになりました。

外は雨がしとしと。部屋は真っ暗。しげちゃんは恐さを紛らわせるために豆電球を点けるのでした。
ところが、薄暗い部屋の天井に現れたのは二つの目。その目がじーっとしげちゃんを睨みます。吊り上がった二つの目は、なんだか腹を立てているように見えるのです。

しげちゃんは、その二つの目の正体を「自立さん」なのだと推測します。その自立さんがあまりにも鋭い目付きで睨みつけるので、恐くなったしげちゃんは大声をあげてしまいます。すると、自立さんの目がいくつも増えて天井を覆い尽くしてしまうのでした。

しげちゃんは自分の部屋を飛び出すと、一目散におばあちゃんの部屋に駆け込みます。そして、おばあちゃんの布団に潜り込んでしまうのでした。

しげちゃんは一人で眠るのが恐くてたまりません。おかげで夜更かししてしまって、朝のラジオ体操に遅刻してしまうのです。しげちゃんは無事に「自立さん」を克服することができるのでしょうか。


室井滋&長谷川義史の絵本