この絵本の内容紹介
母さんみたいに背が高くなりたくて、きりんの子が背伸びをしています。きりんの子の優しい夢を、味わい深い版画で描きます。
■□■林 木林さんのメッセージ■□■
もしも、私がきりんだったとしましょう。すると、私はずっと遠くの景色まで見渡すことができるわけです。ですけど、ずっと遠くの景色を見ているうちに、その先の見えない景色が気になってきて、もっと遠くが見てみたいと思うだろうなと思うのです。できるかぎりの背伸びをして、首をぴーんと長く伸ばして、どうにかして、もっと遠くを見ようとするだろうなと思うのです。
そうして、もしも、どうにかこうにか、もっと遠くが見えるようになったとしましょう。すると、今度はその先のもっともっと遠くが見たいと思うだろうなと思うのです。四苦八苦してなんとか、もっともっと遠くが見えるようになったとしましょう。すると、更にもっともっともっと遠くが見たくて、ようやくまた見えるようになったとしても、そのまた向こうは、そのまた先は……となって、これってもう、きりンがないなと思うだろうなと思うのです。地球は丸いから、いつか一周して、自分の姿が見えるようになるのかなと思うだろうなと思うのです。