この絵本の内容紹介
漫画と芸術を掛け合わせたような不思議な絵本です。
ゲームばっかりやってる男の子のそばに知らん顔して置いてみたらなんとなく気になって、きっと手にしてくれるのではないでしょうか。
日本では絵本や漫画は子どものもの、あるいはサブカルチャーとして扱われています。
ところが、ヨーロッパの、特にフランス語圏では少し事情がことなるようで、「BD」=バンドデシネといわれ、芸術のひとつの形態として考えられるようになってきているようです。
このマルク=アント・マチューもそうしたBD作家のひとりです。
『3秒』はある3秒間に起こった出来事が、鏡やガラス、いろんなものに映り、そこで起こった出来事は何か?と考える趣向になっています。
全ページが7㎝の正方形9個にコマ割りされ、その細かく書き込まれた細部まで観察しなければなりません。
新聞記事や携帯電話のメール画面に文字はありますが、セリフはひとつもありません。
冒頭に「どう考えるかはあなた次第」という作者の挑戦状じみた解説があって、いくつかのヒントが提示され、「それでは、読者の検討をいのる」と締めくくられています。
悔しいですが、相当集中しないと物語が追いかけられません。