この絵本の内容紹介あらすじ

統合失調症を患い、23歳で死去した女性が書き上げた、故郷の楠のお話。

バスケットが大好きな学生だった著者が統合失調症を発症したのは、大学2年の時だった。本著は、著者が事故のため23歳で亡くなる前に書き残した絵本の中の1冊と、「生きる」と題したノートの中の一節で構成されている。主人公の大木は、著者が療養していた母親の実家の大楠がモデルになっている。自由がないと悲しむ大木が、自分の存在の意味を見出すまでの物語が、やさしいタッチの挿絵で描かれている。あるがままに生きることの尊さを、さりげなく気づかせてくれる、せつなくも美しい一冊。