この絵本の内容紹介あらすじ

おばさんは折り紙がとっても上手。それは何百も折っているから。女雛めびなだって上手に折っちゃいます。

おばさんがまだ子どもだった頃は、戦争の真っ只中。空襲があると防空壕に逃げ込んで震えていました。

お雛祭りどころではなかった時代、家は焼けてしまったけれど田舎に預けた雛飾りは無事でした。

戦争が終わっても貧しい時代は続きます。空腹の日々を過ごしていると、ある日、お母さんがお米をどっさり持って帰るのでした。

夢中で白ご飯をお腹いっぱい食べて大満足。ですが、3月になると雛飾りとお米を交換していたことを知るのでした。

それを知って、一日中泣きじゃくっているとお母さんが紙でお雛様を作ってくれたのです。それにも関わらず、本物のお雛様が恋しくて泣きじゃくるのでした。

泣きやみませんが、それでもお母さんは紙を折り続けます。お内裏様や三人官女、五人囃子。折りながらお母さんも静かに静かに泣いていました。

お母さんのその姿を見たとき、違う悲しみに包まれるのでした。でも、それ以来、3月になるとお雛様を折るようになりました。そして、お母さんの温もりを感じられる紙雛が好きになったのでした。

戦中戦後の貧しい時代の悲しくも温かいお話です。辛くて悲しいとき、不幸だと思える状況でも、家族や大切な人の温もりに救われることもあるんだなっとじんわり心温まる絵本です。

豪華な雛飾りも素敵ですが、親子手作りの雛飾りもとっても素敵なものです。たまには、折り雛でお雛祭りを彩ってみるのはいかがでしょう。