この絵本の内容紹介あらすじ

弟が死んでから、ぼくたち家族には穴がつきまとう。
この穴をどうしたらいいの? 中に何があるの? どうして弟に会えないの?

喪失感に寄り添う〈グリーフケア〉の絵本。

〈大切な存在〉がこの世界からいなくなったとき、心に穴があいたような感覚をおぼえることでしょう。だれにでも起こりうる、けれどとても特別で個人的な感覚。その穴のことを忘れたくても、見たくなくても、消し去ることは難しいのではないでしょうか。
この絵本は、そんな辛さを抱えた男の子に寄り添う物語です。黒い穴は日常の中にもつきまといます。だまって話を聞いてくれる人がいて、穴に向き合い本当の気持ちを吐き出せたとき、男の子の中で何かが変わったようです。
悲しみや喪失感に寄り添い手助けをする〈グリーフケア〉という支援がありますが、この絵本はそのようなプロセスをあたたかなイラストとともに描いた物語です。
黒い穴だけでなく、画面のそこここに現れる明るく黄色い光の意味も考えたくなる絵本です。