この絵本の内容紹介あらすじ

星が消えていく夜明けに赤ちゃんが生まれました。

そして、赤ちゃんが生まれると同時に、一人の女性がお母さんになりました。

赤ちゃんの手はとても小さく、足もとても小さい。たくましい若者になるまで、大事に守ってあげなければとお母さんは思いました。

靴を履いて野原に遊びに行ったり、駆けっこしたり、一緒に海を見に行ったり。赤ちゃんの成長とともに、たくさんのことを一緒にしようとお母さんは考えました。

家族がいて、友達がいて、家があって、学校があって、街があって、国があって、世界があって……。それから、みんなの愛が繋がって、地球は輝くのです。

赤ちゃんの可愛い手も、いつかはお母さんの手を包み込むほど大きくなります。その手が、どうか銃など握りませんように。そうお母さんは祈ります。

人の命を傷つけてはいけない。奪ってはいけない。そんなことは誰でも知っているのに、どうして戦争で命が激しくやりとりされるのでしょう。

戦争は悪魔。すべてのものを壊し尽くします。小鳥の声から始まる朝も、お母さんの作る朝ご飯も、すべてを壊します。窓辺で月を見る静かな夜も、お母さんと祈る夜の祈りも、すべてを奪います。

絵本「おかあさんのいのり」の一コマ

我が子への愛情と平和への願いを綴ったお母さんの祈りを描きます。その祈りは、特別なことではなく、当たり前にあるはずの幸せを求めているのです。『平和』という宝物が、どれほど素晴らしいものであるかを伝えます。

絵本「おかあさんのいのり」の一コマ2

著者の武鹿 悦子氏も戦争体験者の一人。自分が実際に見てきたこと、感じたことから生まれた文章には説得力があります。