この絵本の内容紹介
おべんとうの時間になると「いただきます!」の元気な子ども達の声が園に響きます。
ところが、お弁当にはたくさんのピーマンが入っているのでゆずる君は青ざめた表情です。しかも、ゆずる君はピーマンに向かって「あっかんべー」をするのでした。
そんなゆずる君の様子を外から見ていたのがピーマンです。ゆずる君に嫌われていることを知ったピーマンは、とても悲しい気持ちになるのでした。
ピーマンは畑にいるころからお弁当のおかずになるのが夢でした。他のピーマン達とどんなおかずになるのかワクワクしながら想いを巡らせたことを思い出します。
ゆずる君は帰り道にお母さんからピーマンを残したことを聞かれると、ピーマンは嫌いでお菓子が好きなのだと主張します。
ピーマンはゆずる君の後を追いながらその言葉を聞くと、自分もお菓子になりたいと悲しい気持ちで考えるのでした。
ピーマンはお菓子になることを決断すると、まず最初にキャンディーの袋に包まります。そして、お菓子売り場のキャンディー達に混ざってみるのですが……工夫も虚しく女の子にあっさりと見つかってしまうのでした。
他にもアイスクリームやケーキ、和菓子になってみるピーマンですが、やっぱり子ども達に簡単に見つかってしまいます。さらには、自分の緑色の体がいけないのだとチョコレートで全身をコーティングしてみたり、自分と同じ色のメロンソーダに浸かってみたりしますが、子ども達に簡単に見つかっては驚かれるばかりです。
子ども達には忌み嫌われ、お菓子達にはピーマンはお菓子になれないのだと否定され、ピーマンは公園のベンチに腰掛けていよいよ落ち込んでしまいます。そこに、偶然にもピーマン嫌いのゆずる君がやってきて……。
ゆずる君はピーマン嫌いなのですが、みんなに嫌われっぱなしのピーマンの気持ちに寄り添ううちに心境の変化が表れます。
ピーマンはお弁当のおかずになる夢を叶えることができるのでしょうか。そして、ゆずる君は嫌いなピーマンを食べることができるのでしょうか。
ピーマン嫌いのお子さんにぜひ読み聞かせていただきたい絵本です。ピーマンの気持ちに寄り添ってみると、ピーマンのことが好きになれなくても頑張って食べてくれるようになるかもしれません。