この絵本の内容紹介
おばあさんは、とても古い日本家屋に一人で暮らしています。
そして、ある日から孫である少年と一緒に暮らすことになりました。
おばあさんの家は木造で、床は板と畳、太い柱があって、天井は高くて日中でも暗いのです。
天井には梁という太い木が渡っており、大人が台に乗っても梯子を架けても届かないほどに天井は高く吹き抜けています。
梁からは電灯が下がっており、天井の小窓からは光が漏れています。しかし、それでも梁より上の天井は暗闇に包まれています。
そんな天井の暗がりが気になる少年。下のほうは明るいとおばあさんが言うので、その言葉に納得することにします。ところが、少年は一度は納得しても、やっぱり天井の暗がりが気になって仕方がありません。
そしてある日、少年が梁の上の暗がりを見ていると……小窓の横あたりに物凄い形相の怒った男の顔があったのです。
少年は恐ろしさのあまり、庭先のおばあさんのもとへと駆けていきます。そして、天井の梁の上に誰かがいると言いいました。
ところが、おばあさんはそれを聞いても平然とした様子。梁の上を見上げることもなく、見たのなら誰かがいるのだろうと答えるだけです。
少年はおばあさんに怖くないのか尋ねると、上を見なければ怖くないのだと言います。そして、見なければいないのと同じだとおばあさんは言うのでした。
しかし、それでも少年は天井の暗がりが気になってついつい見てしまい……。
少年が見たという男の正体は何だったのでしょうか。絵本の最後は、私たち大人でも背筋が凍るような恐怖が待っています。
この絵本は、昔ながらの日本家屋を舞台としており、ホラー特有の湿っぽさを纏っています。おばあさんの家で飼っている猫たちや明暗のバランス、おばあさんと少年の会話、そのどれもが最後に訪れる恐怖をお膳立てしているかのようです。
怖いもの見たさの方には持ってこいの絵本です。トラウマにならないようにくれぐれもご注意ください。