この絵本の内容紹介あらすじ

この物語の舞台となる図書館では、二人の図書館職員が働いています。
一人は図書館長のメリウェザーさん。
そして、もう一人は図書館員のマクビーさん。

二人とも図書館職員らしく「きまりごと」にはとっても厳しいのです。
図書館では走ってはいけません。
図書館では静かにしないといけません。
などなど図書館にはたくさんのきまりごとがあるのです。

ある日、図書館にライオンが入ってくるとマクビーさんは大慌て。なぜなら、図書館の「きまり」にライオンが来たときのことなど書いていないのです。

マクビーさんは急いでメリウェザー館長にライオンが来たことを報告します。すると、「で、そのライオンは としょかんのきまりを まもらないんですか?」とメリウェザー館長はマクビーさんに尋ねます。

「きまり」に書いていないから慌てるマクビーさんと「きまり」を守れているかどうかを確認する落ち着いた様子のメリウェザー館長の「きまり」に対する考え方が対照的で哲学的な絵本です。

それ以来、ライオンは図書館に毎日やってくるようになりました。最初はどう接していいかわからなかった子どもたちや図書館職員たちもだんだんとライオンのことが大好きになりました。

ライオンは3時から始まるお話の時間が大好きです。3時になるまで図書館の棚の埃を掃除したり、手紙に封をする作業を手伝ったり、子どもたちの背もたれになってあげたりとライオンは図書館になくてはならない存在へとなっていきます。

でも、そんなライオンの様子を見たマクビーさんは面白くありません。

ある日、メリウェザー館長が棚の上の方にある本に手を伸ばしたところ踏み台から落ちてしまいます。
起き上がることができなくなったメリウェザー館長は、マクビーさんを呼んできて欲しいとライオンにお願いしました。
ライオンは急いでマクビーさんのところに駆けつけますが、ライオンは喋れないのでうまく伝わりません。そこで、ライオンは大きな声で吠えるのでした。

マクビーさんは吠えたライオンを叱りつけると「きまり」を守れないことを報告するため、メリウェザー館長を探しに行きました。
ライオンが吠えたおかげでメリウェザー館長は助かったのですが、ライオンは「きまり」を守れなかったので寂しそうに図書館を出ていくのでした。

それからというもの、ライオンのいない図書館はどこか寂しそうです。そうしてマクビーさんは「きまり」を守ることよりも大事なことに気づくのでした。

ライオンは無事に図書館に戻ってきてくれるのでしょうか。
「たまには、ちゃんとしたわけがあって、きまりをまもれないことだってあるんです。いくらとしょかんのきまりでもね。」というこの絵本の最後の言葉が「きまり」について改めて考えさせてくれる絵本です。