この絵本の内容紹介
「さむいよう、さびしいよう」
雪降る節分の夜のこと、外から誰かの泣き声が聞こえてきました。
留守番をしていた男は、戸を開けてびっくり。そこにいたのは3体の鬼だったのです。
ところが、鬼達を不憫に思った男は、何の躊躇いもなく、鬼達を家に招き入れるのでした。
「ふくはー うち、おにはー そと」
どこからともなく聞こえてくるのは豆まきをする声。
自分達が嫌われ者であることを知っている鬼達は、男が家に招き入れようとしても遠慮してしまいます。そんな鬼達を説得して、ようやく家に招き入れたのですが、それでもやっぱり鬼達は遠慮した様子。
男は安酒なので気にするなと言って、体を温めるために酒をすすめるのでした。
気づけば、一杯が二杯に、二杯が三杯に。男と鬼達は酒盛りを始め、鬼達の遠慮はどこへやら。
男と鬼達が酒盛りを楽しんでいたところ、「ただいま」と帰ってきたのは奥さんと子ども達。家に鬼達がいたので驚きを隠せません。
仰天する奥さんや子ども達に構わず、男と鬼達は歌って踊って、陽気な宴会はまだまだ続きます。
鬼達が家にいては福の神が来てくれない、貧乏暮らしはもう懲り懲り。奥さんと子ども達が嘆いていたところ、家の近くを通りかかるのは福の神です。
福の神は賑やかな場所が大好き。鬼がいるとはつゆ知らず、男の家を福の神が訪ねるのですが……。
貧乏暮らしの家族は、福の神に逃げられてしまうのでしょうか。
最後は、人間も鬼も神様も、みんなが仲良しのめでたい節分の日のお話です。
これほど賑やかで楽しい節分ならば、「ふくはうち、おにもうち」にも納得です。