この絵本の内容紹介あらすじ

せっかくの夏休みなのに、お父さんもお母さんも仕事で忙しく、僕と弟は退屈な日々を過ごしていました。

僕と弟の今年の夏休みと言えば、学校のプールとゲームと麦茶。それとポテトチップス。同じこと、同じもので溢れていました。

「あーあ、なにかおもしろいことないかな……。」

そんなことを考えていたある日、おじさんからハガキが届きました。

「ケイもユイも元気か。あそびに来んのか。あそびに来たら、また海につれて行ってやるけん。」

このハガキを読んだ途端、僕も弟も大喜び。東京にしばしのお別れを告げ、お母さんの田舎に行くことになりました。

僕と弟にとっては、これからが夏休み本番です。

田舎に到着!

田舎に到着すると、さっそく僕と弟は田舎の子と友達になりました。新しい友達は、足の指まで真っ黒です。

「おにいちゃん。あの子たち、はやいよぉ」

僕や弟と違って、新しい友達は野遊びや川遊びの達人です。木登りも川渡りも慣れたものです。

一方、僕と弟は付いていくので精一杯。気づけば体中泥だらけになって、体力も限界です。しまいには弟が泣き出してしまうのでした。

そんなとき、ポツリポツリと雨が降り始め、あっという間にどしゃ降りです。僕も弟も友達も必死になって走りました。

「でも、ふしぎ……。すっごくきもちいい。」

これほどずぶ濡れになるのは僕も弟も初めてのこと。まるでシャワーを浴びているような気持ちになって、ヘトヘトに疲れていたことも忘れるほどです。

そして、家に帰り着くと、お風呂に直行。泥だらけの体を綺麗に洗い、今度は晩御飯が待っています。

食卓に並ぶのは、採れたて新鮮の野菜や魚を使った料理ばかり。美味しいご飯に食は進み、僕と弟の食欲はみんなが驚くほどでした。

楽しい一日はこうしてお終い。ご飯を食べ終わると、僕も弟もあっという間に寝てしまうのでした。

それでも夏休みは始まったばかりです。海水浴に出掛けたり、路面電車に乗っておつかいをしたり、花火をしたり、魚釣りをしたり……。僕と弟の田舎の夏休みはこれからが本番なのです。