この絵本の内容紹介
「ぼくはうしだから もうじきたべられるのだそうだ」
出荷を間近に控えた一頭の牛は、最後に一目だけお母さんに会いに行こうと列車に乗りました。
そして、車窓から外を眺めながら、ぼんやり考えることがありました。
「ぼくも 大きくなったから おかあさん びっくりするかな」
「一度でいいから スリムになって うまのように 草原をのびのびと 走りまわってみたかったな」
「動物園のぞうや きりんみたいに みんなに愛されてみたかったな」
思い返すと「太れ太れ」と言われて牧草をたくさん食べさせられた日々。
誰にも知られずにやたらと太って、最後は食べられてしまうのです。
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そのようなことをぼんやりと考えている間に、列車は目的地に到着しました。牛が生まれた牧場です。
列車を降りると、目の前に広がるのは小さな頃と何も変わらない光景。
懐かしい思い出が蘇るなか、遠くに見えたのは——
「おかあさんだ!」
お母さんの姿を見つけた牛は真っ直ぐに駆け出しますが……
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