この絵本の内容紹介
極北を撮りつづける写真家・星野道夫によるシロクマの写真絵本。
二十一世紀を迎えようとしている今、自然・野生動物と人間との関係は、さまざまな問題を抱えています。ナヌークのことばは、地球に生きるすべての人間へのメッセージなのです。 「ナヌーク」とはエスキモー(イヌイット)たちのことばで「氷海の王者・シロクマ」のこと。かつて氷の世界で共に生きるエスキモーとナヌークの間には、大切なことばがありました。それは不思議なことばで、狩るものと狩られるものを優しく結びつけ、生と死の境さえなくしてしまうものでした。あらゆる生命は、そのことばでつながっていると彼らは信じていました。そしてその世界は、安らぎに満ちていたのです。 オーロラに誘われて歩いているうちに、いつのまにか夢の世界にはいってしまった少年は、ナヌークと出会います。少年はナヌークに、真の狩人になるために必要な、自然界のおきてについて教えられます。 アラスカ在住、極北の自然と人間を撮り続けている写真家・星野道夫のシロクマ(ホッキョクグマ)の写真(29点)とエスキモーの神話をモチーフにした物語で構成した写真絵本。見渡す限り続く氷の世界に生きるナヌークたちは、わたしたちの心に安らぎをプレゼントしてくれることでしょう。