この絵本の内容紹介あらすじ

絵本の前半では、赤ちゃんが生まれて段々と成長していく過程を親目線で描きます。

自分達の赤ちゃんの寝顔は世界中で一番。あくびですら幸せを運んでくれます。

絵本「6さいのきみへ」の一コマ

ところが、他の子よりも少し小さくて、癇癪持ちで、静かになったと思えばイタズラばかり。

食べ物には頑固で好き嫌いが多く、一緒にお買い物に行けばお菓子の棚に一目散。

三輪車に上手く乗れなくて蹴飛ばしたり、「よーいどん!」の掛け声に驚いて立ちすくんだり。

それでも、いつの間にか自分でボタンをはめられるようになり、靴も自分で履けるようになるのです。

赤ちゃんだった子どもは、気づけば自転車に乗れるほどに成長し、最後は卒園して小学校に入学します。
「そつえん おめでとう。にゅうがく おめでとう。」のメッセージでお話は締めくくられます。

絵本「6さいのきみへ」の一コマ2
絵本「6さいのきみへ」の一コマ3

この絵本は、子どもの成長を描くだけに留まりません。後半では、著者である精神科医の佐々木先生が子育ての不安や疑問にじっくりアドバイスを送ります。

「どうして子どもはこんな行動を取ったりするのだろう」
「自分の子どもとどうやって向き合えばいいのだろう」
そんな不安や疑問を紐解くように、前半のお話の一コマ一コマを詳細に解説します。

赤ちゃんが癇癪を起こす理由は、子どもの気持ちになってみると分かります。
赤ちゃんは生まれてからしばらく、慣れないことばかりで不安が沢山あります。ママのお腹の中にいた時とは感覚が全く違うのです。
手や足がどう動くのかも分からず、まわりの音や寒さや暑さを体験するのも初めてのこと。
なので、泣いたり、叫んだり、体をバタバタさせて、ママを呼ぶのです。そして、ママに抱っこしてもらえれば安心して静かになるのです。

子どもがイタズラをする理由、好き嫌いをするときの対処法……子どもが成長する過程で必ずと言ってもいいほど起こる悩ましい出来事は沢山あります。その出来事への対応や心持ちを佐々木先生が優しく丁寧に綴ります。また、子どもと一緒に成長できる体験の素晴らしさも綴ります。成長するのは子どもだけでなく、親も子育てを通して成長の機会を得るのです。


子どもが幼稚園や保育園を卒園して、小学校の入学式をする迎えるときの親子の感動は一入(ひとしお)です。そして、その感動には、どんなに複雑で豊富な感情が交錯しているのでしょうか。子育ての喜びや不安、出来事、これまでの様々な思い出や感情を思い起こさせてくれる絵本です。