この絵本の内容紹介
僕はいつも怒られてばかり。家ではお母さんに怒られ、学校では先生達に怒られてしまいしまいます。
ある日は、妹を泣かせて怒られてしまいました。我がままを言う妹も悪いのに、僕だけが怒られてしまうのです。
お母さんは仕事で帰りが遅いので、僕は妹と遊んであげたのに……。妹の泣く姿だけを見て、お母さんは怒ったのです。
またある日は、マー君とター君を泣かせて怒られてしまいました。仲間はずれにした二人も悪いのに、僕だけが怒られてしまうのです。
パンチやキックをした僕も悪いですが、「なかまに いれてやらへん」と言うのも悪いはず……。それなのに「ぼうりょくは いけません!!」と先生は僕だけを怒ったのです。
本当は僕にも言いたいことはあります。けれど、それを言うとまた怒られるに決まっているので、僕は黙っているしかありません。顔を逸らしてぐっと我慢しました。
本当は褒められたい
昨日も今日も怒られた僕は、きっと明日も怒られてしまいます。「ええこやねえ」と本当は言われたいのに、お母さんも先生達も僕を見る目はいつも怒っています。
「そんな おこった かお しとったら、しわが ふえるで」
ある日、僕がそう言うと、お母さんは怒ってしまいました。本当は、いつも綺麗でいて欲しいと思っただけなのに……。
またある日は、休み時間に大きな声で歌っていると、先生に怒られてしまいました。小学校に入学したての頃は、「げんきが ええね」と大きな声を褒めてくれたのに……。
七夕の日、短冊に込めた願い
僕は怒られるたびに自信を無くしていきました。どうしても怒られてしまう。どうしても褒めてもらえない。自分は悪い子なのではないかと疑ってしまいます。
そうして七月七日を迎えると、学校の授業で短冊に願いを書くことになりました。
マー君とター君は「サッカーせんしゅに なれますように」と願って、ともちゃんは「ピアノが じょうずに なりますように」と願って、それぞれ短冊に書きました。
僕は一番の願い事を一生懸命に考えました。そして、覚えたての平仮名で、心を込めて書きました。「おこだでませんように」と……。
ピクトブック編集部の絵本談議
男の子の視点から見ると、その辛さが痛いほど伝わってくるよね。
うんうん。
でも、お母さんや先生達の視点で見ると、怒ってしまうのも分かるかもなぁ。
たしかに、いろいろ忙しいと、その時その時の状況で怒っちゃうかもね。
そうだね~。
それでも、広い視野で物事を見れるようになると素敵だよね。