この絵本の内容紹介
野原の真ん中の楡の木の下に小さなお店がありました。このお店の名前は「ふしぎや」。
緑のベレー帽をかぶったクマが店主の楽器屋さんです。
お店には、太鼓やギター、タンバリンやカスタネットなどたくさんの楽器が並んでいます。
何日も雨が降り続くある日のこと、お店にびしょ濡れになった男の子がやってきました。男の子は、毎日雨ばかり降るものですから楽しい楽器を探しに来たというのです。
クマの店主は、黄色の素敵なトランペットを男の子に差し出しました。そして、男の子がポケットからウメの実を3つ取り出してクマに渡すと商談成立です。
男の子は、トランペットを吹きながら雨のなかの野原道を歩いていきます。すると、そのトランペットの音色に合わせて雨雲が動き出したのです。そして、男の子が野原の向こうに消えてしまう頃、気づけば野原に太陽が顔を出すのでした。
このクマの楽器屋「ふしぎや」には、男の子の他にも元気のないおじさんやお腹を空かせたネズミさん、寒がりやのウサギさんといろんなお客さんがやってきます。そして、ベレー帽をかぶった店主のクマは、それぞれのお客さんにぴったりの素敵な楽器を紹介するのでした。
お客さんの悩みや望みを叶えてくれる不思議な楽器屋さんのお話です。楽器を奏でれば魔法のように不思議なことが次々と起きるのですが、終始、穏やかで和やかな独特な世界観に自然と引き込まれる、そんな作品です。