この絵本の内容紹介
男の子が川にペットボトルをポイ捨てしようとすると……。「もったいなーい」とやってくるのが、もったいないばあさんです。
環境汚染の観点から『ポイ捨て』を禁止することはありますが、それに留まらず『もったいない』という観点も加えて『ポイ捨て』を考えるとどうなるのでしょう。
みんなは川にポイ捨てしているのに、どうして駄目なのだろうかと男の子は疑問を抱きます。
その疑問に対して「それが わからないなんて もったいない」と、もったいないばあさん。
そして、その疑問を解き明かそうと、もったいないばあさんと男の子は、山の上の森の奥の川の源流までやってきました。
そこで出会うのが一滴の水。つまりは川の赤ちゃんです。この赤ちゃんが、これからどこへ向かうか追いかけます。
川の赤ちゃんは水溜まりからチョロチョロ流れ、次第にその小さな流れは小さな川に成長します。それから谷間を抜けると流れも段々と勢いを増していき、川底の石をコロコロと転がすほどに。
次は滝を一気に流れ落ちていきます。そして、滝壺には魚の赤ちゃん達が泳いでいます。この魚の赤ちゃん達は、みんなここで生まれたのです。水辺ではウサギやリスや猿の赤ちゃん達が水飲みに集まっています。
滝壺を離れて先に進むと、いくつかの小さな川が合流して少し大きな川に成長します。森の中を流れていくと、川辺には木々や草花の赤ちゃん達が芽を出していました。
それから山間の田んぼを抜けて、さらには橋を潜ると大きな町へ。その頃には川の水は濁ってしまって、川の赤ちゃんを見失ってしまうのでした。
川底はゴミやヘドロだらけ。川の先の海の中もゴミだらけ。そこで暮らす生き物達は、とても苦しそう……。
この絵本は、水の循環を通して環境を守ることの大切さを描きます。また、命を育む川の水をじっくり観察してみると、その命の営みを阻害する行為がどれだけ「もったいない」ことか実感することでしょう。
物語を通して、みんながやっているからと同調してポイ捨てすることの『もったいない』に気づくはずです。さらには、ゴミ拾いの素晴らしさや楽しさに気づく機会になることでしょう。