この絵本の内容紹介
にじうおは、仲間達と楽しく暮らしていました。赤いヒレの魚とも友達になり、あっという間に仲良しになります。
そんなある日、にじうおが海を散歩していると、「ねえ かくれんぼ しない?」とあかひれに誘われます。そして、鬼になったにじうおは、20秒数えてから自信満々で他の魚達を探し始めました。
にじうおは、ほとんどの隠れ場所を知っていたので、どこを探せばいいのかも分かっていました。海藻の間を探してみたり、珊瑚の林を探してみたり、油断せずに注意深く見渡します。
ところが今日に限っては、どこを探しても誰も見つかりません。他の魚達の隠れ場所を通り過ぎてしまうと、「ここだよ!」と隠れていた魚達が自ら出てきてしまう始末です。そうして、とうとう誰も見つけられずに隠れん坊は終わってしまいます。
すると、にじうおは「ちびあお、こんどは きみが おにだ。」とむしゃくしゃしながら言いました。ちびあおは、まだ幼くて隠れん坊にも慣れていません。にじうおは憂さ晴らしで指名したのです。
ところが、海藻の中に潜り込んだにじうおは、あっという間に見つかってしまうと、負けを受け入れられずに自分勝手に怒り始め……。
この絵本は、にじうおの銀の鱗が実際にきらきら光る珍しい作品。自信満々で負けず嫌いのにじうおが改心する姿を描きます。
仲間の間を取り持つあかひれの言葉には、大事なことが凝縮されています。子どもはもちろん、大人であっても、他者と関わるうえで何が大切なのかを教えられることでしょう。
何でも勝つことは嬉しいことですが、負けを認めることも大事だというお話です。