この絵本の内容紹介あらすじ

もしも自分の種だけ、芽が出なかったら……
なかよし4人で野菜づくり。いっしょに種をうえたのに、私のだけ芽が出ない!そこでソフィーのとった行動は? 子ども独特の感情をユーモラスに描く絵本。

・訳/ときありえさんからのメッセージ
イリヤ・グリーンの第2弾。絵も文もますます快調です。何がいいって、コドモ・ゴコロに生まれる「ワルイ」「ズルイ」「イケナイ」を開放させている ところ。
ソフィーのレタスだけ芽が出ない──さて、この理不尽にどう向き合うか。「正しい良い子の対処」ができれば、それがいいに決まっています。でも、誰もが最初から立派にやれるわけじゃない。が、人生初の理不尽にハナから負けて、へなへな崩れ落ちるより、ワル・ズル・イケナイ系でも、まずはよくないか? みんなにしっかりお説教されたわけだし…と、わたしは考えるのです。
子ども(人間)がもつ負の感情に、目をつぶったり、貶めたり、正義をつきつけたりせず、まずは受けとめ、幅のある乗りこえ方をユーモアをもって語る、子どもにも親にもおススメの1冊です。

・担当者のうちあけ話
このお話には4人の子どもたちがでてきます。リーダー格の子、お姉さん的存在の子、ちょっぴりどんくさい子、一番ちびのはしこい子。この子たちが、得意がったり、不安になったり、ねたんだり、いじけたり……。そうだった、子どものときって、こんな風に感情をむきだしにできていたなぁと、うらやましく感じられる今日このごろ。やりたいことやって、衝突もするけど、明日になればまた仲良し。そんな子どもたちならではの懐の深さを感じられて、あらためて彼らを尊敬したくなる、そんな絵本です。(J)