この絵本の内容紹介あらすじ

戦争で故郷をおわれたコウノトリは、安住の地をもとめて、旅にでます。さまざまな街へとわたりますが、どこにも落ちついてくらせる場所はありません。
夢に見るのは、故郷の「子どもたちの笑い声、どこまでも続くひまわり畑、ちっともこわくないかかし」。ついに動物園にいくしかないのかと思いつめたとき、意外なところから救いの手がさしのべられます……!

・訳/岡田好惠さんからのメッセージ
すっくと立つコウノトリ、一面のひまわり畑、かかし、海、船、ビル群、元気いっぱいの子どもたち……。これは、珍しいクロアチアの絵本。内戦で、ふるさとの村を追われた、一羽のコウノトリの物語です。
モダンな絵柄と美しい色使い。その一方で、軽やかな文章の底を流れる、作者の深い反戦の気持ちに、訳者として、戦争を知らない世代の一人として、強く心を打たれずにはいられませんでした。作者は実際に、クロアチアの内戦を生き抜いた人なのです。
戦争はいけない――わたしの頭のなかで、長年、から回りしてきた一言が、この絵本に巡り会って、やっと、確かなものになりました。そのほかにも、考えさせられることがいっぱい。「絵本の力」というものを今、改めて実感している次第です。
なお、この作品の原題は“Ciconia ciconia/White Stork”。直訳すれば、『コウノトリ』。(チコニアチコニアは学名)。
英語版からの翻訳で、編集部が『コウノトリはどこへいく』という素敵なタイトルをつけてくださいました。
コウノトリはどこへいくのか? どうか、一人でも多くのかたに、その行く末をご覧いただけますよう。