この絵本の内容紹介あらすじ

「ピノキオ」の原作は、演劇評論家として活躍したイタリアのコッローディ(1826~1890)による児童文学です。本当の勇気とはなにか、良心に従うことの大切さなど、主題はたいそう教育的ですが、木のあやつり人形が動くという設定は文句なしにおもしろく、説教くささを感じさせないお話となっています。ピノキオが誘惑にまけて遊びくらすのも、説教のためのエピソードというより、じつはお話の中でもっともわくわくするところであり、悪の楽しみを本の中で味わうということが、逆にまっすぐな心を育てるという、教育的なパラドックスにもなっています。ディズニーによる長編アニメーション化は1940年。かなり初期の作品といえますが、立体感と奥行きを生む画像処理など、当時の最新の技術を駆使して、画期的な映像となりました。主題歌「星に願いを」は、いまだに歌いつがれている名曲であり、ディズニー作品初のアカデミー主題歌賞を受賞しました。――ときありえ