この絵本の内容紹介あらすじ

戦争が激しくなる前、てつおは、疎開で母の故郷である出雲に家族三人で大阪から引っ越してきました。
その一年後、戦争は終わりましたが、お父さんは亡くなってしまいます。少年てつおは、畑仕事や家の手伝いで忙しい日々を送るのでした。

そんなある日、てつおは新聞配達の仕事を始めることにします。
畑仕事や家の手伝いだけでも大変なのに無理をしすぎないようにとお母さんはてつおを心配します。
でも、てつおは、新聞を読みたい一心で新聞配達の仕事を始めることにしたのです。

近所のみはらのおじいさんが、毎日でも新聞を読みに来ていいと言うのでてつおはとっても嬉しい気持ちになりました。
来る日も来る日もてつおは、新聞を一生懸命配達します。そして、みはらのおじいさんの読み終わった新聞を毎日読ませてもらうのでした。

ところが、ある冬のこと、みはらのおじいさんは亡くなってしまいます。それでも、みはらのおばあさんは、いつでも新聞を読みにおいでと誘ってくれるのでした。

それからも、てつおは毎日、新聞を届けては、新聞を読みにみはらのおばあさんを訪ねます。
そんなある日、とうとうおばあさんも体調を崩してしまいます。そして、おばあさんは肺炎を患い、帰らぬ人となってしまいます。

てつおは、葬式でみはらのおばあさんが字を読めないことを知ります。そして、字が読めないのに新聞をとっていたのは、てつおのためであったことを知ったのです。

新聞をとおして伝わる老夫婦の優しさが心を打つお話です。少年てつおのまっすぐで綺麗な心にも感動することでしょう。