この絵本の内容紹介
日本全国を飛び回り、傷ついた桜の手当てをし、桜の新種をさがす佐野さんは、「桜守(さくらもり)」とよばれています。
桜のいのちを守るしごととは――。
藤右衛門さんは四十年来の私の親友である。もちろん、寂庵の桜もすべてお世話になっている。ふだんは磊落豪放な人柄だが、桜の話をするとたちまち人相まで慈悲にみちた仏さまのように和んでくる。
桜はこの人にとってはいとしい子供であり、命がけで恋いこがれた永遠の恋人である。桜に男一生の夢と命をそそいだ桜守のつぶやきは、どの言葉にも深い愛と祈りと哲学にみたされている。――(瀬戸内寂聴)