この絵本の内容紹介
その男は、とてもびんぼうでした。
すがたはまるで怪物のようでしたが、働いて働いて、気がつくと大金持ちになっていたのです。
ほしいものはなんでも手に入るようになった男がつぶやきました。
「ああ、あのときのカレーライスが食べたい。」
まずしいときにごちそうになったカレーのことです。
男の頭はそのカレーのことでどんどんいっぱいになっていき、家来や家族に無理を言って……気がついたら、またひとりぼっちの、びんぼうな男にもどっていたのです。
そんな男がたどりついた先は……。
「あらしのよるに」シリーズで知られるきむらゆういち氏と、小学館絵画賞、日本絵本賞大賞等多数の受賞がある重鎮伊藤秀男氏、初めてのコンビによる絵本です。
「カレーライス」という身近な題材で、小さな子どもから楽しめますが、「人生でほんとうに大切なものは何か」という深いテーマが含まれています。