この絵本の内容紹介あらすじ

明日からことり幼稚園に通うあやちゃん。部屋にはピカピカの制服とカバンが一週間前から掛かっています。

その部屋で、あやちゃんは今日も一人で幼稚園ごっこを始めました。
「おなまえを よばれたら、おおきな こえで へんじを してくださいね」
「はーい」
先生と生徒の二役を一人で演じるあやちゃんは大忙し。

翌朝、いよいよ入園式の日がやってくると、あやちゃんは張り切って家を飛び出しました。

ところが、道で同じ制服の子を見つけると不安が募り、ママのスカートの後ろに隠れてしまうのでした。

不安そうなあやちゃんに気づいた女の子が「いっしょに いこう」と手を差し伸べると、あやちゃんはぎゅっと手を握って幼稚園まで一緒に歩いて行きました。初めて友達と手を繋いだあやちゃんは、不安よりも嬉しさが込み上げたのです。

入園式が始まると、あやちゃんの緊張もピークに。家に帰りたいと思うほどにドキドキが止まりません。
そんなあやちゃんですが、先生から名前を呼ばれると、大きな声で返事をすることができました。

次の日、幼稚園に行くと、男の子の泣き声が聞こえてきました。
「かえっちゃ いやだー」
その男の子は、お母さんと離れ離れになるのが嫌だったのです。

その泣き声を聞いたあやちゃんも、なんだか悲しい気持ちが芽生えてきました。そんなとき、昨日の女の子が手を引いてくれたのです。あやちゃんは泣きそうだったこともすっかり忘れてしまいました。

あやちゃんの手を引いてくれた女の子の名前は、ゆいちゃん。お姉ちゃんが昨年までことり幼稚園に通っていたので、幼稚園のことをなんでも知っていました。初めてのことばかりで不安なあやちゃんにとって、ゆいちゃんは頼もしくて素敵な友達になったのです。


初めての幼稚園は不安なことがたくさんあります。お母さんやお父さんと離れ離れになることが悲しかったり、お弁当を食べているとお母さんを思い出して会いたくなったり……。
そんな不安を友達と一緒に乗り越える姿が微笑ましく感じることでしょう。

幼稚園では、動物園に行ったり、お誕生日会が開かれたり、お兄さんやお姉さんと交流したりと様々な行事があります。
夏にはプールに入ったり、秋には運動会やお芋掘りをしたり、冬にはクリスマスのお楽しみ会が開かれたり、季節ごとに様々な行事もあるのです。

この絵本は、不安や安心、悲しみや喜びなど、子ども達の感情の変化とともに幼稚園での一年間を描きます。幼稚園での生活を予行演習するつもりで読み聞かせてみてはいかがでしょう。