この絵本の内容紹介あらすじ

「あめこんこん、ふってるもん。うそっこだけど ふってるもん あめふりごっこする もんよっといで。」というモモちゃんの声に、「いれて」とだれかが答えます。つぎつぎに仲間が加わっていって、最後に「いれて」っていったのは……。

・文/松谷みよ子さんからのメッセージ
゛あめこんこん ふってるもん゛によせて 松谷みよ子
幼い子が、はじめて雨にさす傘と、長ぐつを買ってもらったよろこび。
まっかな傘に、まっかな長ぐつ。
おかあさんにおんぶして、雨の日、大きな傘でおでかけもうれしいけど、もう大きくなったんです。
じぶんの傘と、じぶんの長ぐつで、雨の日あるけるんです。
もううれしくて、
「はやく雨こんこん、ふらないかなあ」
と、空をみあげているうちに、もうじっとしていられなくなって、
「雨こんこん、ふってるもん、うそっこだけどふってるもん」
お天気なのに外へとびだしてしまうのです。傘をさして、長ぐつをはいて――。
おや、そうしたら、ポツリ、ほんとに雨がふってきて――。
生きてるって、すてきだな。
お日さまもだいすき、雨もだいすき。
一日一日が、どきどきするような新鮮なよろこびを、私たちも、子供といっしょにうけとめましょうよ。

・担当者のうちあけ話
松谷みよ子さんの代表作「モモちゃんとアカネちゃん」シリーズから、「ちいさいモモちゃん」のお話を絵本にした、武田美穂さん版「ちいさいモモちゃんえほん」は、1995年に小さいサイズで刊行されました。これは、子どもたちが、お家でお父さん、お母さんのおひざの上にのって読むことを想定したもの。
今回、それをリニューアルして幼稚園や保育園での読み聞かせにも使えるように、すこし大きめサイズにしました。じつをいうと、そのきっかけは設定が拡大のまましてしまったカラーコピー。そのモモちゃんがなんともいえずかわいく、こっち、こっちとよばれているようで、「大きいのもいいじゃない」とそのままダミー(試作品)を作ってしまいました。
お家でも、大勢の読み聞かせでも「あめふりごっこ するもの よっといで」「いれて」という文のリズムと、絵のかけあいを楽しんでくださると嬉しいです。(ほろほろ鳥)